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日本という国は人口が多いわりに国土が狭く、また山が多いため住むのに適した平地が少なく、いきおい住宅は一所に密集してしまうことになる。 その上、日本人の特性でもある同調気質が一極集中という言葉があるように、密集を甘んじて受け入れている節もあるように思う。 通勤電車によくある車両の出入り口付近の密集と中間部の過疎は客観的に見ると滑稽だけれど、ひとりぽつんと離れているより、たとえ押し合いへしあい窮屈で息苦しくてもみんなと一緒にいる方が安心なのだろう。 (ぼくは変人だから、ぽつんとひとりでいる方が心地よい) 限りある平地にひとが密集すれば宅地は細分化され、そこに建てる住宅もそれに合わせて小さくなるのは当然の成り行きである。 欧米人から日本人は「ウサギ小屋」に住んでいると揶揄されたのは、なにも昔だけの話ではなく今に至ってもあまり変わっていないのが現状だ。 住宅は狭い方が良いと考える人はあまりいないだろう。 狭いところに長くいると、どうも考え方もこじんまりしてちっぽけな人間になってしまうような気がするのは、卑下しすぎか。 狭い住宅を広くするのは魔法じゃないと無理だけど、「なんとなく広く感じる」ようにすることは可能だ。
ひとつ、視界を広くし、見通しをよくすること。
ひとつ、面を透かすこと。
ひとつ、色数を減らし、明るい色にする。
ひとつ、整理整頓。(言わずもがな) このように家を建てるときの工夫次第で、狭い家でも「なんとなく広く感じる」空間を手に入れることは可能だ。 「ウサギ小屋」などと言ってバカにしていた連中を一度家に招待してこの空間を見せてやりたいぐらいだ。 え~~っ? |