Architecture

A-024
私がめざす建築は
  s a / r a
simple architecture _ real architecture




イメージをドローイングにする / 無心に鉛筆を走らせる


設計をする際、最初に浮かんだイメージが大きな影響力を持つことが多い。 イメージはまず具体的な形にしなければならない。 近くにある紙切れに鉛筆で走り書きしたり、スチレンボード(数ミリ厚の発泡スチレンの両面に白い紙を貼った板)をカッターで切り貼りして工作したり、また事務所に転がっている木や棒の切れ端、小さい空き缶、アルミサッシの型材などを縦に重ねたり、横に並べたりして形を模索する。 とにかく、イメージが進展してゆくスピードに負けず、次から次へとこの目で形を確認していくのだ。 最近はCAD(キャド/ Computer Aided Design 設計を支援するコンピュータ)を使うことも多い。 3次元の図形の加工や着色などで、いろんな角度からイメージを刺激してくれるのでありがたい。 CADに比べて、鉛筆で描いたり工作したりして身体を使うことは一見昔風だけれど、身体の運動は頭脳や五感、そして心や気分というものにまで強く働きかけ、それがまた次のイメージの進展につながっていくのでわたしは好きだ。 大まかに方針が決まった段階で設計図を描き始める。 平面図を描き、次に立面図、そして詳細図、というように順を追って仕上ていくのではなく、すべての図面が同時進行していくことになる。 当然、頭の中は混沌としているし、はたしてまとまるのか不安だ。 部屋の配置や窓の位置・大きさ、屋根の形、仕上材等、あるいは技術的なことなど、決めなければならないことはたくさんある。 これらを決めるための「よりどころ」として、最初のイメージが大きくかかわっているように思う。 なにも初めから決めてかかるのではないのだけれど、終わって振り返ると、その最初のイメージがずっとつきまとっていたことに気付くことが多い。 それだけ最初に浮かんだイメージというのは大切なものだ。