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音楽    M_023
私の好きな音楽の話
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ボブ・ディラン自伝 第1巻


昨年の秋、ボブ・ディラン(Bob Dylan 1,941~ 米)が自伝を発表した。 3巻からなる第 1巻であるけれど、全米で 50万部を売り、今年になってドイツ語やフランス語に訳され、7月には日本でも翻訳本が出版された。 この第 1巻には、19歳の彼が厳冬のニューヨークに出てきた当時の様子が驚異的な記憶力で詳しく書かれている。

「求めているのは金でも愛でもない。 わたしは高揚した心を持つ無謀な夢想家であり、定めた目標に向かって歩みはじめていた。 心は獲物をしとめる罠のように強力であり、確実性などという裏付けは必要なかった。」

Dylan といえども、世界中に数多(あまた)いるミュージシャンを目指す若者のひとりに過ぎなかったわけだけれど、その若者がたった9ヶ月後にはレコード業界最大手のコロンビアと契約するのだから、なにより本人が一番驚いたようである。

「ハモンドがわたしをコントロールブースに呼び、コロンビアからわたしのレコードを出そうと言ってきた。 わたしは「はい、そうしたいです」と答えた。 心臓が空まで、ほかの銀河系の星まで飛んでいきそうだった。」

未熟だけれど自分が何をしたいのか確信を持つ若者と、そのかれに「何か」を見出し、それを信じ導いたひとの出会い。
もしそれがなければ、その後のかれの才能の開花はなかったような気がする。


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