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そ の 他    O_019
興味をもったことなど・・・
躍動的なBatikのダンス

いま静かに熱いのが、コンテンポラリー・ダンスだ。 クラシック・バレエを基礎に、より自由に、過激に、そして美しく、身体をつかって現代社会と対峙している。 ひところの小劇団ブームに代わり、ひそかにではあるが、今あちこちに「カンパニー」が誕生しているようだ。 「白鳥の湖」で有名なマシュー・ボーンMatthew BourneひきいるAMP(adventures in motion pictures)のThe Car Manというダンスを数年前に見た。 過激ではなかったけれど、鍛えられた肉体によるダイナミックなダンスは、やはりカッコいい。 日本では戦後、土方巽(1928~1986)や大野一雄(1906~2010)らの土着的で人間の内面を身体表現する舞踏(暗黒舞踏)がBUTOHとして世界的な評価を得たが、この舞踏もコンテンポラリー・ダンスのひとつであろう。 しかし芸術性は高くとも土着性ゆえか、全身白い粉を塗りたくり、鍛えられた細い肉体をクネクネする乞食姿が、どれもこれもよく似たものに思え、あまり興味がもてなかった。 ぼくはやはりバレエやモダン・ダンス等、洋舞の方が好きだ。少し前になるが、 H.ART CHAOS (H・アール・カオス)の白河直子の舞台が警察沙汰になったり、ステージから落下して重症をおったりと、コンテンポラリー・ダンスはなかなか過激である。 いま最も熱い視線が注がれているのは、黒田育代ひきいる女性舞踏集団 Batik (バティック)だ。残念ながら彼女達の大阪公演は未だなく、写真や風評しか知らないぼくの頭の中は、Batikの妄想が駆け巡っている。 建築家・妹島和世の建築が大阪にない(似合わない)のと同じように、黒田育代のダンスも大阪という風土に合わないのではないかと、他人事ながらひそかに気をもんでいるのだ。