Music
音楽    M_002
私の好きな音楽の話
Jazz は大人の香りがする

「ジャケ買い」という言葉がある。 ジャケットの好みだけを判断基準にCD(昔ならレコード)を購入することをいうが、これが結構「当たる」場合が多い。 ふつうジャケットはそのCDアルバムのイメージに合わせて制作される。 また、心がこもる充実した内容のアルバムなら、ジャケットにもそれが反映されているものである。 だから逆に、ジャケットからそのCDアルバムのイメージを推しはかることもできるのである。 いわば、聴覚と視覚の相乗効果がジャケットに期待されているわけだ。 モダン・ジャズならモノクロ写真に赤・黄・青といった原色のラインや文字が定番だ。渋くてモダンな「大人」のイメージがある。 ロックやJ ポップ、そして歌謡曲にも、各々それらのイメージを醸しだすジャケットがある。 ある意味、各ジャンルのイメージが固定化されている、と言えるのかもしれない。 ぼくはCDを聴くとき、CDケースを 2つのスピーカーの間に立てて置き、それと真向かいに座る。 ジャケットと向かい合う格好である。 音をまだ聴いていないアルバムなら、まずジャケットと対面することになるのだけれど、それを見ていろいろとイメージする時間が好きだ。 どんな音が飛び出してくるのかワクワクする。 しかし、このような聴き方をしているとジャケットのイメージにとらわれ過ぎ、肝心の音楽に固定したイメージを与えてしうこともある。 重厚なジャケットの場合、気軽に音楽を楽しめなかったりするのだ。 音楽をなんの制約もなく気軽に、そして素直に聴く、というのが今のぼくの理想だ。 真っ白で無地のジャケットならいいじゃないか、と思うが、ビートルズのアルバムにあるのだけれど、それはそれで「白」のイメージがぼくの心を支配する。 ぼくにとって、ジャケットと「ほどよく付き合う」ことは至難の業なのだ。