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音楽    M_017
私の好きな音楽の話
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フランスの香り漂う憧れのシルヴィ・バルタン


「パリ症候群」という言葉がある。 それは、パリでの生活の現実が、抱いていた憧れと大きく違うために戸惑い、うつ状態になってしまうことをいう。 逆に言えば、それだけ憧れ、期待させる魅力がパリにあるということだ。 フランスは「自由・平等・博愛」という国是が示すように「おおらか」であり、自国の文化も大切にするけれど、世界の知識や才能を大胆に取り入れる懐の深さもある国である。 だから、フランス生れだと思っていたのに、実は違う、という文化人や芸術家が結構いたりする。 ブルガリアで生まれたシルヴィ・バルタン(Sylvie Vartan、1,944年生)もそのひとりだ。 髪をブロンドに染め、16才でアイドル歌手としてデビューし、19才で出演した映画「アイドルを探せ」の主題歌が世界的にヒットした。 以後、結婚、2度の交通事故、離婚、自殺未遂、そして再婚と、いろんなことがあったようだけれど、今も現役で活躍しているのは、さすがだ。 彼女が初めて来日したのは人気絶頂の'65年で、レナウンのTV-CM(イエイエ、ワンサカ娘)に出演したりして、かなりのブームを巻き起こしたという。 ぼくが彼女を知ったのはその 5年後、「あなたのとりこ」が日本で流行っていた'70年である。 それは、アダモやミッシェル・ポルナレフ、そしてポールモーリア楽団など、フランスのポップスが巷でよく流れ、口ずさみもした、今では考えられない不思議な時代だったのだ。

ふらんすへ行きたしと思へども     ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背広をきて      きままなる旅にいでてみん

--- 萩原朔太郎 --                                        


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