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興味をもったことなど・・・
大リーグ100勝を達成した野茂
('03年4月21日付 朝日新聞 夕刊)

ぼくの大好きだった今は無き「近鉄バファローズ」で活躍していた野茂英雄が、1995年にロサンゼルス・ドジャースと契約して大リーガーとなった時には驚いた。 いやそれ以上に、大リーグで大活躍したのにはもっと驚いた。 123勝(日米通算200勝)、ノーヒットノーランを2回、最多奪三振を2回、新人王受賞等々、素晴らしい成績だ。 今では日本人の大リーガーは数多いるけれど、また大谷翔平のように大活躍する選手もいるけれど、当時は本当に信じられないことだったのだ。 何を考えているのかわからないヌボ~っとした風貌。 無愛想で、いつもなにか不満がありそうな口元。 でも、その彼がたまに見せる笑顔は愛らしくて好きだった。 いま大リーグで活躍している日本人選手はみな口をそろえて、野茂が扉を開いてくれた、と言うけれど、当の本人も海を渡った頃は多少気負いがあったみたいだ。 あるインタビューで「自分が失敗することで、『日本人はみんなダメだ』とだけは思われたくなかった」と言っている。 当時、日本球界やマスコミからバッシングを受けていたあの野茂がそんなこと思うか?、と耳を疑ったが、彼なりに意を決するところがあったのだろう。 後のインタビューで「本当のところ、その思いは100%のうちせいぜい1%ぐらいでしかないんです。 あとの99%以上は、メジャーに上がることしか考えてなかったですし、メジャーを目指して野球が出来ることの喜びが全てだったというのが正直な気持ちでした。」と言っているのがかえって照れ隠しのように思えてくる。 自分を育ててくれた社会人野球界が不況によるリストラにあっているのを見かねて、引退後はNOMOベースボール・クラブという社会人チームをつくって恩返しようとした彼の心意気も素晴らしい。 すごいなぁ。。。観客席のフェンスから手を伸ばせば投球練習している野茂に届きそうなぐらい小さい藤井寺球場で投げていた頃の姿が忘れられない。