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そ の 他    O_025
興味をもったことなど・・・
トヨストーブ/CT-1B形

どちらかといえば、ぼくは"もの持ち"が良い。
たとえば、セーター。 秋冬限定とはいえ、30年来同じセーターを家で着ている。 毛糸でざっくりと編んだものだけれど、もはやほとんど伸縮しない。 だら~っと伸びたまま。もちろんあちこちほころびているし、ひじの部分など薄くなって下に着ているシャツが透けて見える。 着ているときは、こんなボロ着は今年かぎりで捨ててしまおうと思うのだけれど、暖かい季節が近づくと、名残惜しくなってか、もう一年着てから捨てようと心に決める自分がいる。 特にそのセーターに愛着があるわけではない。 ただなんとなく毎年同じことを繰り返し、それを着ている。
上の写真の石油ストーブも同じだ。 これも長い間使っている。 18才のとき名古屋でひとり暮らしをすることになり、その初めての冬を迎えるにあたって、たしかひと駅離れた"金山"のダイエーまで自転車をこいで買いに行った記憶がある。 ダイエーはなんでも安い、と子供心に思っていたのだろう。 石油ストーブは危険だし臭いを嫌うひとも多いけれど、静かに燃えて炎が見えるのでぼくは大好きだ。 なかでも当時、対流式の丸型に憧れていた。 そのタイプでは"アラジン"というブランドが名を馳せており、スタイルもメカニックでカッコよかった。 でも18才の貧乏学生には高嶺の花。 ぼくは分相応である地元メーカーのストーブを買うことにした。 少し野暮ったいが、なんといっても対流式の丸型ということが、嬉しかった。 部屋の真ん中にそのストーブを置き、それを囲んで友だちとお酒を飲んだり、お餅やスルメを焼いたり、また凍える手を温めたりと大活躍した。 でも春になるとお役ごめん。 分解掃除をし、箱に入れて押入れの奥にしまい込む。 秋が深まり寒くなると、またそれを出す。 ずっとこの繰り返し続けてきたのだ。小さな営みの繰り返し。 そういう"もの"との関係が、さも自分の「生きている証」であるがごとく 。。。なんて思い至り、ひとり笑ってしまった。