興味をもったことなど・・・ |
どちらかといえば、ぼくは"もの持ち"が良い。
たとえば、セーター。
秋冬限定とはいえ、30年来同じセーターを家で着ている。
毛糸でざっくりと編んだものだけれど、もはやほとんど伸縮しない。
だら~っと伸びたまま。もちろんあちこちほころびているし、ひじの部分など薄くなって下に着ているシャツが透けて見える。
着ているときは、こんなボロ着は今年かぎりで捨ててしまおうと思うのだけれど、暖かい季節が近づくと、名残惜しくなってか、もう一年着てから捨てようと心に決める自分がいる。
特にそのセーターに愛着があるわけではない。
ただなんとなく毎年同じことを繰り返し、それを着ている。
上の写真の石油ストーブも同じだ。
これも長い間使っている。
18才のとき名古屋でひとり暮らしをすることになり、その初めての冬を迎えるにあたって、たしかひと駅離れた"金山"のダイエーまで自転車をこいで買いに行った記憶がある。
ダイエーはなんでも安い、と子供心に思っていたのだろう。
石油ストーブは危険だし臭いを嫌うひとも多いけれど、静かに燃えて炎が見えるのでぼくは大好きだ。
なかでも当時、対流式の丸型に憧れていた。
そのタイプでは"アラジン"というブランドが名を馳せており、スタイルもメカニックでカッコよかった。
でも18才の貧乏学生には高嶺の花。
ぼくは分相応である地元メーカーのストーブを買うことにした。
少し野暮ったいが、なんといっても対流式の丸型ということが、嬉しかった。
部屋の真ん中にそのストーブを置き、それを囲んで友だちとお酒を飲んだり、お餅やスルメを焼いたり、また凍える手を温めたりと大活躍した。
でも春になるとお役ごめん。
分解掃除をし、箱に入れて押入れの奥にしまい込む。
秋が深まり寒くなると、またそれを出す。
ずっとこの繰り返し続けてきたのだ。小さな営みの繰り返し。
そういう"もの"との関係が、さも自分の「生きている証」であるがごとく 。。。なんて思い至り、ひとり笑ってしまった。